消費者

チャイルド・プレイ 誕生の秘密の消費者のレビュー・感想・評価

3.9
初回鑑賞日:2022/08/03
初回スコア:4.1

・ジャンル
スラッシャー/ホラー

・あらすじ
母サラと下半身不随の娘ニカの元に差出人不明で届いた一体の人形
サラは不気味がりすぐに捨てたがその晩、彼女は突然死を遂げてしまう
生前鬱病を患っていた事から自殺と思い自責の念に襲われるニカ
訃報を聞いて家族や神父、子守りと共にやって来た姉バーブはそんな彼女を励ますが真の狙いは別にあった
ニカを施設へと厄介払いし実家を売却してしまおうという計画である
障害をダシに説得するバーブの提案をニカは拒否
1人で十分に生きていける事を証明しようとアピールするが彼女は聞く耳を持たない
それは夫イアンとの不仲や子守りのジルとの不倫関係も理由として大きかった
ギクシャクした空気が流れる中、ニカは人形チャッキーをアリスに与える
アリスもチャッキーをすぐに気に入った様子であったが徐々に家の中で不穏な出来事が起こり始め…

・感想
殺人人形チャッキーの凶行を描くシリーズ6作目
今作では湖畔の絞殺魔チャールズ・リー・レイが人形チャッキーとなるまでの経緯を描いた前日譚も描かれている

過去にシリーズを鑑賞済みではあるものの改めて観てみると記憶以上に良く出来た内容だった
コメディ要素を排除しつつ過去作との繋がりもしっかりと持たせ、それでいて1つの作品として丁寧に構築されたストーリー
設定と伏線を活かした展開
王道ホラーに立ち返った恐怖演出
どこを取ってもその大半がウェルメイドで安心して観ていられる
中でも主人公ニカの下半身不随の活かされ方は終始見事だった
子供の様に雑に扱われる様も人形であるチャッキーと被るしそれ自体が次作への伏線の様に感じた
ゴア描写もエンタメとスラッシャーの間でちょうど良い塩梅という印象
殺し合いを繰り返すだけじゃないのも過去作より見やすい

一方でチャッキーことチャールズ・リー・レイの背景に関しては1作目から前作までを踏まえると人物像との矛盾が多い
家庭や子供という物を嘲笑っていたはずの彼がそれに執着した故の犯行を発端に人形となったというのは何かね…
あとはヴードゥー教の教えから殺人を繰り返したと過去に言及されていたのに歪んだ逆恨みから来る復讐心に帰結させるのもモヤモヤした
他にはニカがネットで検索しただけで状況を理解するというのも物分かりが良過ぎて…
ネット通話への映り込みやイアンに仕込まれたカメラなど現代的且つ王道ホラーな恐怖演出が手堅くて悪くなかったからこそそのへんも丁寧に作り込んで欲しかったかな…
隠しカメラの映像が証拠とされなかったのも謎だし状況証拠だけでニカが犯人とされてしまった結末もちょっと雑な感じ
エンドロール後の話も4作目に続いているはずなんだけどそうなると矛盾が生じるよなぁ

そういった粗を除けば繊細に猟奇性を表現していて好きな作品
次作はうっすらとしか覚えていないけど今作よりは質が落ちていた記憶
ただその分、殺人描写は良かった気もするしまぁそこには期待出来るかな
消費者

消費者