メリー・ポピンズが好きならば観ておいて損はない。原作者の過去の話などは知らなかったので改めてあの映画が味わい深くなった。個人的な傷を癒やすという、物語の持つ効能にスポットを当てた作品は多いが、その中でも良い出来だと思う。
ウォルト・ディズニーとパメラ・トラヴァースのキャラクター造形が上手い。どちらも手放しでは好きになれない絶妙な癖の強さがあり、実際一筋縄ではいかない人物達だったであろうことが容易に想像できた。
いかにもそれらしい嫌味な英国人と軽薄な米国人の噛み合わない会話の感じも良かった。
劇中では当然メリー・ポピンズの曲がたくさん流れるわけで、ファンとしてはそれだけで嬉しくなってしまう。シャーマン兄弟についてももっとクローズアップしてほしいところだったが、それをやってしまうとやはり話が散らかるか。