円柱野郎

ウォルト・ディズニーの約束の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ディズニー映画「メリー・ポピンズ」の制作の裏側で、映画化に乗り気でない原作者のP.L.トラヴァースと、映画化を実現させたいウォルト・ディズニーとのやり取りを描いたドラマ。

P.L.トラヴァースが実に気難しいw
エマ・トンプソンの演技はお見事。嫌な人に見えそうな部分でも最後にはそうは思わせない人の背景が表情に感じられる。
トム・ハンクスは正直ルックスがディズニーとはだいぶ違うのだけど、漂わせるオーラはさすがですな。
この映画自体は「メリー・ポピンズ」の内容を知らないと、細かい部分でネタを理解するのが難しいかも。

トラヴァース夫人の幼少期の場面が頻繁に挿入されるので観ている方は多少忙しいけれど、制作の進行に伴って次第に掘り起こされていく過去から「メリー・ポピンズ」が如何なる話なのか分かってくる仕掛け。
まあ原題の"SAVING MR.BANKS"から「メリー・ポピンズ」の登場人物であるバンクス氏に誰が投影されているのかはすぐに分かるのだけれど。
実話が元のフィクションとはいえ、原作に込めた想いを頑なに守ろうとする理由がドラマの土台になって、良い話になっているよね。

終盤、映画を観て泣くトラヴァース夫人に「バンクス氏は大丈夫だ、安心して」と語りかけるディズニーに、夫人が「アニメが見るに堪えなくて」と可愛らしい悪態をつくところが良かったw
二人の関係が凝縮されているなあ。
円柱野郎

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