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スター・ウォーズ/フォースの覚醒のisopieのレビュー・感想・評価

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21世紀の世に地図の争奪戦とは、スティーヴンソンか五味康祐かという時代錯誤ぶりにうれしくなったのもつかのま。「そこそこね」という台詞が象徴しているのではないか。エピソード4~6への愛着、再現度、描写のスケールとディテイル、意外性……何もかもが「そこそこね」。

大宇宙を舞台にしたスペースオペラというより血縁関係の生むちいさな物語のなかで、つるんときれいな顔の若者たちに対して、懐かしい顔ぶれに刻まれたしわ、白髪、脂肪がスクリーンのこちらとあちらの間の38年間を実感させる。時間こそがこのサーガの主役だったのだ。

若者が老いた者を突き動かす。その作劇はよく練られているが、旧三部作の面々はともかく、アレック・ギネスやピーター・カッシングやクリストファー・リーのような大人の顔をしたキャストがいないのは物足りない。唯一そんな顔の持ち主のマックス・フォン・シドーはあっさり退場。 
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