【監督強化月間⑪ 大林宣彦】
前作と比べればまだまとも。「戦争三部作」の2作目。本作の「なななのか」とは、49日のこと。本作には大林監督の死生観が表れていると思います。輪廻転生。それに加えて、過去にあった戦争の教訓が矢継ぎ早に出てきます。これ以外にも、本作は基本的に会話が噛み合ってない&食い気味な編集テンポでとにかく会話が早い。そして「地方創生」に対する批評的な視点もある。
「かつてこの国に戦争があった」とは、誰もが「知っている」ことです。しかし、本作で言われているように、「知っている」だけで、実はその中身までは「知らない」。本作では『この空の花』と同じく、それを観客に「教える」わけです。それを継承し、生きることこそが大切なのだなと思います。というか、本作で大林監督は常盤貴子を見出してしまったんだな・・・。