dieBananaSuki

処刑山 ナチゾンビVSソビエトゾンビのdieBananaSukiのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

倫理観を雪山に忘れたが妙に生真面目で弾けきれなかったためギリギリホームランにならずスリーベースヒットで終わった印象の作品だ。
ここで生真面目と言ったのは、論理の通し方の問題で、つまり通常のA→B→Cと展開していく、因果関係がきっちりとしていて整合性が取れているストーリーのことを言っている。私は、論理の通し方が異様で、因果関係ではなく主題ややりたいことで論理を通した結果、展開が飛躍している語り口のアナーキーさを求めている。特にホラー映画には。そして本作のような面白い設定を持っているものにはより求めてしまう。
なので冒頭で述べたような評価になる。
加えてラストのナチゾンビと主人公・ソビエトゾンビの対決の妙な景気の悪さ、地味さも個人的にはマイナスだった。これは殴り合いが中心だからだろう。もっと血が出て、臓物がポロリして、ゾンビが木っ端微塵になるような景気の良さが欲しかったなあ。
と文句を言いまくったが、前作から明らかに撮影が良くなっていて、ゴア描写もマシマシで、ゲロも追加されて楽しい。何よりもキャラがかなり立っていてそれが本作の楽しさを大きく支えている。ずっと扱いが雑い仲間ゾンビ一号君や、ただ殺されるだけのボンクラ集団みたいなルックスだがめちゃくちゃ有能なゾンビスクワッド、ナチゾンビの医者的なやつ(ラストバトルでの藁詰めたりしてゾンビを回復させている描写がいい)や、地元警察の面々など主人公の脇を固めるキャラクターが面白いのでどの視点でもある程度の面白さがあるのでダレることがない。
個人的には初めのほうの新聞のエッチな写真を見て股間を膨らませているお爺さんの下品さが頭に残っている。絶対勃ってたでしょ、あれ。私の見間違いかな。