都部

劇場版 HUNTER×HUNTER The LAST MISSIONの都部のレビュー・感想・評価

1.5
前作:緋色の幻影と比較するとオリジナル要素である『怨』の存在が作品を形作る本作は、本来この時系列では果たされない原点回帰としての釣竿やヨーヨーといった武装、またそれまでに登場したキャラクター達を交えて事態収束を図る姿は必要最低限の面白さを満たしている。

しかしながら念系統の異種 『怨』による制約と誓約による敵組織の能力向上は舞台設定然としており、その設定に深みが感じられないのがやや難点。また敵の頭目とゴンが張り合う為に『怨』に制約と誓約を立てるという展開はキメラアント編の終盤を思わせるが、大したパワーアップを感じさせない活躍を思うと主人公としてのノルマ的な戦闘の或を出ることなく収束する為に肩透かし感がどうにも強い。

本作のメインとなるネテロと影の因縁も語られるエピソードとしては気薄で面白味がなく、また犯行に及んだ彼等の理屈は分かるからこそ抜本的な解決が果たされない後味の悪さを感じる結末には座りの悪さがある。そのツッコミどころと中身のなさに対する指摘を並べれば別の面白さをはたして見い出せるのかもしれないが、映画単体としての評価はやはり前作同様に低いのが実情だ。
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