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グレン・グールド 27歳の記憶のRIOのレビュー・感想・評価

3.9
まだあった もうグレン・グールドの作品がないかと思ってたら 最近毎日観てます

「Off the Record」
お気に入りのピアノの前に座り演奏を途中で止めては窓に立ちまた続ける

バッハ:フーガの技法 BWV1080 を弾くグールドを通して見れる小さい頃に過ごしていたシムコー湖畔の別荘でのリラックス
愛犬のバンクオーがまた一段とリラックスさせてくれる

「On the Record」
N.Yのスタジオでの録音風景
完璧な演奏が録れるまで繰り返される
イタリア協奏曲Konzert BWV971は素晴らしい

バッハとグールドと阿頼耶識


余談ですが

自分がとてもお世話になっている方がずっと若い時にグレン・グールドとこのN.Yのスタジオで2人きりで話をされたことがあるそうで
グールドは三島由紀夫の愛読者で音楽的にインスピレーションを受けてたそうです
特に「春の雪」「金閣寺」を読んでいた
三島文学によく言われている日本の雅とか美の哲学よりも自由への渇望を感じ取って読まれていたそうです
因みにエミール・シオランも全部読んでた
そのシオランは
音楽とは失われた楽園を追憶する人間の悔恨であると音楽について解説している

特に素晴らしいと思ったのは ♫♪♯
ピアノはまだ不完全な楽器だと感じていて、その不完全さが自分を自由にしてくれる
88の鍵盤の制約のなかに無限に広がる自由を感じているんだ
と目を閉じて話してたそうです

グレン・グールドはとても遠い存在なのですが不思議と近いと感じる話でした
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