ぐっち

そこのみにて光輝くのぐっちのレビュー・感想・評価

そこのみにて光輝く(2013年製作の映画)
4.5
最高に良かった…

貧しい家計の為にスナックで働き体を売ったり愛人だったりそして家へ帰れば寝たきりの父親の性処理をする物語の核である池脇千鶴

前科持ちの底抜けに明るいどうしようもなく落ち着きのないバカで物語を引っ掻き回す優しい弟の菅田将暉

そしてそんなどうしようもない境遇から抜け出せない2人を受け止め、未来を見出してくれそうな包容力と色気を持った佇まいのトラウマを負った無職の男綾野剛

この3人が本当に良かった
ベストシーンは
・池脇千鶴が父親の性処理をしている場面を見てしまった綾野剛が紫陽花を折るシーン
・パンツまで脱ぎ脱がしリアルで美しい綾野剛と池脇千鶴のベッドシーン
・アパートの前で綾野剛が菅田将暉を殴り会話し、抱きしめるシーン

キャンキャン小うるさく足元をうろついてくる子犬のような菅田将暉がとても印象的だったなあ

綾野剛は立ってるだけで雰囲気があって、むしろ喋らない方が良い。台詞を話し出すとボロが出るというか…キャリアや経験値の問題だと思うけども。
でもこれだけ佇まいに雰囲気があって視聴者の目を引いて涙も流せる男優は稀有な存在だと思うので、逆に言えばまだまだ伸び代があって今後の出演作で成長を見ていくのが楽しみな人だと思った。

池脇千鶴はASAYANの三井のリハウスオーディションから朝ドラを経て、きっと当初の予定してた売れ方とは違う方向へ来てしまったんだと思うけど、きっと余貴美子や寺島しのぶの様な女優さんになっていくんだろうな

小汚い部屋に寂れた街、安っぽい服装なのにとても画が綺麗で、物語の重さを緩和させてる

あ、あと今まで胡散臭くてどうしようもないクズな男No.1のイメージだった綾野剛がこの作品によって、重く暗い映画で受け身に回る役だと内から光を放つ役者さんなんだと知りました。良い収穫でした。
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