小野田美湖

そこのみにて光輝くの小野田美湖のレビュー・感想・評価

そこのみにて光輝く(2013年製作の映画)
4.5
幸せとは言い切れないが光がさしたと思った矢先にそれがぶっこわれたような後半、素晴らしかった。かなしみの純度が高いうつし方だと思った。
菅田将暉が演じてるたくじ、すごく良い役だった。たくじが捕まったあと、まわりの人たちは前科がある人間だったからって言うんだろうけど、この映画がわかった人は同じことは言わないだろうと思う。絶対に。たくじという人間がおもってしたことを、わかっているから何にも言わずに抱きしめたたつおが兄の姿をしてた。淡々と進むなって最初は面白く思えないまま見ていたけど、なんでもない場面とか沈黙でうごく人の気持ちとかかなしみが痛いくらい届いた。心にくるものがあった。芸術を見たなという気持ちになった。
あと池脇千鶴がすごくいいからだをしてた。下品な感じになっちゃうけどそこもよかったなぁ。この映画におけるちなつというキャラクターの「女らしさ」の重要性。女の自分が見てもその役割を果たしてるようなからだだったなと思った。肉付きのいい女の身体は男の欲を誘発させるなと思って自分の体型に自信が湧いた。