イチロヲ

シベリア超特急5のイチロヲのレビュー・感想・評価

シベリア超特急5(2004年製作の映画)
4.0
モスクワ駅にてシベリア鉄道に乗車した日本の視察団が、源義経の財宝の地図を確保するため活動を開始する。カルト人気シリーズの第5弾(4作目は舞台劇なので、映画としてカウントされない)。本作の公開後、2008年に水野晴郎が死去している。

サブカル好きのハートを鷲掴みにした同シリーズも、いよいよ斜陽に向かっていく。水野晴郎の衰弱ぶりが目に見えて分かるようになり、一球入魂ならぬ「一シベ入魂」を体現したような状況に陥っている(水野晴郎は片腕を骨折したままで撮影に望んでいる)。

本作では、超特急の走行シーンがついに登場。初代プレステのようなCGだけども、1作目から追ってきた側からすると「ああ、これで思い残すものはない」という気持ちでいっぱいにさせられる。

閣下(監督)の口から出任せかと思われていた「今度は万里の長城の階段落ちをやるからねー」が、本当のことだったというミラクル。スタッフ陣による「面白いシベ超を作るぞー!」という気概が伝わってくるところが素晴らしい。

ブルース・リーは「ブルース・リーを発明した人」、谷ナオミは「谷ナオミを発明した人」、そして水野晴郎は「水野晴郎を発明した人」。水野先生、ステキな劇場体験を提供していただき、本当にありがとうございます。我が家にある計10枚のシベ超Tシャツは、後生大事にします。
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