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アバウト・タイム 愛おしい時間についてのuのレビュー・感想・評価

4.6
勝手に観たつもりになっていたが、ふりふらのアバウト・タイムの件で、そういえば観てなかったなと思い出し、やっと鑑賞。正直、ありがちなラブストーリーでしょと高を括っていた。だが泣いた。とても泣いた。

1日はみんな同じ。でも、自ら選択をする、自らの1日を作る、そうやって平凡な日々を丁寧に生きていくことこそが幸せだ。そんな当たり前のことに気づかされる作品。












【以下ネタバレを含みます】


冒頭、ティムはとにかく冴えないし、おまけにタイムトラベルとかなんとか言ってありえない設定だと静観していた。ところがストーリーが進んでいくごとに、すっかり作品に引き込まれていく自分がいた。それはこの作品が、ただのラブストーリーではなく、愛と日常を描いた物語だったからだと思う。ティムや周囲の人たちは愛で溢れていた。以下に私的ハイライトをまとめる。

1. 最初は恋のためだけに使っていたタイムトラベル。それが妹のために使われたシーンはかなり印象的。ティムの家族に対する思いに心が痛くなった。時間を戻すことは根本的な解決にはならない。それが現実世界でも忘れてはいけない大切なこと。本人の選択、意志こそがその人の未来をつくるということ。自分の未来をつくってくれる魔法はないから。

2. なんとも言えない幸福感に包まれたのは、プロポーズのシーン。夜景の見えるレストランでのロマンチックなプロポーズも、大げさなサプライズもいらない。何気ない日常が特別になる。それは最高の1日だ。

3. ティムの父親の言葉に何度も心動かされた。特に、「同じ日を2回過ごしてみる」ということ。どんなに最悪な1日でも、あらゆるところに幸せは散りばめられている。ティムや彼の父親は、タイムトラベルで2回同じ1日を過ごすことで、最初は気づけなかった幸せに気づくことができた。私には1日は一回しかないが、うつむいていないで、前を向いて幸せをたくさん見つけたい。こんな素敵な気持ちになることができた。

この作品は終始、何気ない日常のシーンが描かれていた。でもそんな日常には必ず愛があった。この純粋な愛をどうか忘れないで生きたい。
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