raga

アバウト・タイム 愛おしい時間についてのragaのレビュー・感想・評価

2.0
"運命の出会い" は作為できるのか?ふと思う人生の悔恨をやり直すことの居心地の悪さが終始つきまとう。この人間讃歌は一見素晴らしく見えるが、過去への執着と回顧は主人公の成長を止めている。悔いることを否定する、成功談に彩られた人生は果たして謳歌できるのか。中盤、娘と妹の運命を天秤にかけた局面で主人公の苦悩を描くべきなのにさらりとかわしてしまう。何か落ち着かない。そしてラスト大切なテーマを台詞にして片付けるのはどうよと首をかしげる。
この作品が好きな人には申し訳ないが、失敗なき人生は楽しくない、理想ばかり追い求める狭義の指南書。
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