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ローン・サバイバーのtheocatsのネタバレレビュー・内容・結末

ローン・サバイバー(2013年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

ネタバレ
米国対タリバン、パシュトゥーン族の関係性

あらすじだけでは中東戦闘で一人生存した米兵が命からがら山岳地帯を抜け、味方陣地に賭け込むといった物語と勝手にイメージしていたが全然違った。

なるほどね、タリバンを嫌うパシュトゥーン人たちが古来からの掟に従って傷ついた米兵を助けたということね。



アフガン侵攻米軍シールズの作戦指令ははタリバン幹部暗殺。
幹部が潜伏している村の偵察の為ヘリで付近の山中に降下された4名の部隊員。
しかし、山羊飼いの村人が通りかかりやむなく捕縛。殺害止む無しの声が多数だが部隊長は村人を解放して作戦中止撤退の断を下す。
ところが解放された村人は急ぎ山を下りタリバンに連絡。味方への無線も通じず撤退する間もなくタリバンに取り囲まれる米兵。
武器の圧倒的テクノロジー差で多くのタリバン兵を殺害するも、火器の物量とランチャーなど強力火器で次第に追い詰められ3名が死亡。
一人生き残った米兵が山のふもとに降りると、なぜか自分を助けてくれるらしいそぶりをする村人が救いの手を差し伸べる。。。



まずロケ地がなんかアメリカっぽいと感じてしまったが、視聴後調査ではミューメキシコ州とのこと。
序盤でタリバンの斬首描写をすることで彼らの凶暴性残酷性をひとまず印象付ける。
逆に村人拘束後の解放描写で米軍の国際法遵守、人道的措置をこれまた印象付ける。

戦闘場面ではテクノロジー差で米軍側火器の命中率が高く虫けらのごとく多数のタリバン兵を殺傷。これが昼ではなく夜間戦闘であれば暗視スコープ使用でタリバンは全く相手にならなかっただろう。
しかし、総体的火力人数差が大きすぎて米兵も次第に負傷、そして徐々に死亡。

不思議だったのは岩場から転落してあれだけ滑落し岩に強烈に体を打ち付けているにもかかわらず、それで骨折したという描写がなかったこと。それだけシールズとして鍛錬していたと考えても普通人なら足がひん曲がる骨折をし、肋骨骨折、頭を打ってぐしゃぐしゃになり死ぬとかがおちだっただろう。

さて一人生存した米兵を助けたパシュトゥーン人たち。これもまた実に不可思議な展開だったが、実話ともなるとかの地アフガンの複雑さに思いを巡らせざるを得なくなる。
タリバンに逆らってまで狂犬のように喚きたてる米兵を救ったというのは、掟に忠実であったとしても驚きでしかない。

結果的に一人の生存兵を救うために1機のヘリ部隊員も全滅と、映画「プライベートライアン」みたいな多数犠牲の救出劇となってしまったが、この結末こそ米国国威発揚にはまさしくうってつけだったわけだ。

そのグロテスクさゆえに総評は一つ星

プロパガンダ国威発揚映画は米国、朝鮮、中国、ドイツ第三帝国、大日本帝国、などどこであれ醜いものだ。

012008
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