ディグ

ローン・サバイバーのディグのレビュー・感想・評価

ローン・サバイバー(2013年製作の映画)
4.0
【以下、ブログからの抜粋・転載のため
少し長文のレビューとなります】

実話を映画化したこの作品を
簡単に説明すると…

アメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズの4人が、
夜間にヘリから降下し、とある山岳地帯に入る。
それは2005年、アフガニスタンでの出来事じゃ。

彼ら4人の目的はタリバンのテロリストのリーダー
アフマッド・シャーの潜伏場所を特定することじゃ。

4人が、シャーの潜伏場所の村に近づき
そっと監視していると、
偶然、羊飼いに出くわしてしまう。
老人と子供の民間人じゃ。

このまま羊飼い達を逃がすと、
彼らはおそらく村に戻って、
米軍兵士に出会ったことをタリバンに伝えてしまう。
そうすれば、あっというまに
タリバンの兵に囲まれ
戦闘になるのは必至じゃ。

かといって、羊飼いをこの場で殺すわけにもいかない。
民間人を殺すのは禁止されているからじゃ。

さてどうする?

考えた結果4人は、
仕方なく羊飼い達を解放するのじゃ。
すると案の定、
4人はあっというまに200人のタリバン兵に囲まれ
次々と殺されていくのじゃ。

たったひとり生き残った主人公だが、
全身にロケット弾の破片や、銃弾を受け、
歩くのもやっとの状態じゃ。
ボロボロになりながら、必至に逃げ続ける主人公。
はたして、どうなるのか?という話じゃ。

この映画は実話を元にしているので、
派手なアクションシーンなどは、そんなにない。
だが、ひたすら痛い!
崖から落ちて骨がキシみ、
弾が当たって足をひきずり…。
しかし最後には、泣ける展開が待っている。

わしは、よい戦争映画は
だいたい中立の立場に立っていると思うのじゃ。
つまり「おれらが正しい!」という考えで
作られていないということじゃな。
『パールハーバー』のように
スカっとするオチを提供してくれる作品ではない。
どちらかといえば、
「なにが正しいことなのか?」を
観た人が家に持って帰って、
勝手に考えてくれという映画じゃ。

ネタバレをしないようにいうと、
わしがこの映画から受けたメッセージは
「自分のためではなく、誰かのために生きろ!」
というシッブ~イ、メッセージじゃな。

この映画の主人公は、
タリバンに追われボロボロになりながらも、
必至で逃げまくる。
タリバンの攻撃があまりに激しいため、
はっきりいって「さっさと殺してくれ!」という心境じゃ。

しかし主人公は思いとどまり、必至に逃げ続ける。

なぜじゃ?死んだほうが楽なのに!
その理由はただひとつ。
仲間に、こう言われたからじゃ。

「お前は生き残って、俺の彼女に伝えてくれ」

文章にすると、ちょっとはずかしい
お約束的なセリフだが、
これは実際にあったことなのじゃ。
※本人が書いた、原作本でも確認したど。

つまり主人公が、けしてあきらめないで
生きようとした理由は、
自分のためではなかったってことじゃ。
もしも自分のことが一番大切なら、
さっさとあきらめて、殺してもらいたいような
悲惨な状況なんだど。

みなさんも考えることがあると思うが、
仕事ばかりしていると、時々こう思う。

「あ~、なんのために生きているんだろう」と。

こういう考えでは、
なかなか「幸福感」は得られない。
わしは、生活のために仕事をしているが
「幸福感」を得るために仕事をしているのではない。
仕事はあくまで、生活のため。
ようするに、金なんてどうでもええんじゃ。
金で幸福が買えるなどとは思っていない。

わしが一番幸せに感じる瞬間は、
きっと大切な誰かのために
生きるている時なのじゃ。
ディグ

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