よしおスタンダード

ポン・ジュノ アーリーワークスのよしおスタンダードのレビュー・感想・評価

3.7
No.2556
【ポン・ジュノ通になりたい人、必見!!】

アマチュア時代の短編集。3本ともよくできてて、見ごたえがあります。

1.『支離滅裂』(1994年)
Korean Academy of Film Arts(韓国映画アカデミー)在籍時の課題制作。
カメラの動かし方が本当にうまい。無駄がない。
狭い路地の中を、執拗にカメラが男を追いかけていくシーンは、「殺人の追憶」で、同じく街の路地で、容疑者を追うシーンみたいで鳥肌が立った。

ストーリーは、スネークマンショーのコントみたいなオチだけど(笑)、オチの後にさらに余韻があっていい。
フィルムの味わいがいい具合に雰囲気出してる。

2.『フレームの中の記憶たち』(1994年)
同じくアカデミー時代の課題。
たった5つのカットで、犬を探す少年の切なさを表現してて凄い。

3.『白色人 -White Man-』(1993年)
アカデミー入学前、延世大学時代に映画サークルで作ったもの。
非常にシュールだが、そのシュールさの中に、強く訴えたい何かを感じる。
これもカット数とカメラワークに無駄がなくて、まず街の様子を俯瞰でしっかり撮ってから、細部に入っていくところなどは、

ポン・ジュノがアカデミー賞授賞式のスピーチで言及した、巨匠スコセッシの撮り方をなんとなく連想させる。

あぁ、やっぱり影響受けてるんだなぁ、と唸ってしまった。