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冬冬の夏休みのclementineのレビュー・感想・評価

冬冬の夏休み(1984年製作の映画)
4.1
 『となりのトトロ』が好きな自分はとてもはまった。
 公開は1984年で,時代設定も公開当時。銅鑼駅は台北と台中の間にあり,台中のすぐ近くの各駅停車しか停まらない駅だ。
 『ヤンヤン 夏の想い出』と同じく,冬冬の一夏の想い出を語ったものだが,あちらが世俗的なものにまみれているのに対し,こちらは非常に牧歌的である。登場する人物は時に粗野だったり粗雑だったりするが,子どもに対し過度に押し付けたりすることもなく,子どもも悪さはするものの素直であり嫌味が垣間見えるコミュニケーションをしない。
 それにしてもこの郷愁はなんだろう。知らないはずなのに脳の一部分が反応する。日本に似ている部分もあるが,似ているがこその違いもある。『はっぴいえんど』の描く街を私は知らないが,なぜか懐かしく感じてしまう,あの感覚に似ている。日本の過去の作品も掘ってみるとこういう気持ちに出会えるのかもしれないなと思った。
 
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