三樹夫

GODZILLA ゴジラの三樹夫のレビュー・感想・評価

GODZILLA ゴジラ(2014年製作の映画)
2.0
イマイチだった。ゴジラ映画って破壊衝動とかを託してゴジラに感情移入するものだと思うが、この映画フォードに感情移入させようとしている。アメリカ映画の悪癖、上っ面だけなぞった家族愛とか出しちゃって。フォードみたいな野郎に感情移入してゴジラ映画を見るわけない。特に学生時代に学校が爆発しないかなとか思ってた私みたいなネクラは。初代ゴジラでいえば宝田明に感情移入して観ろってなもんでしょ、そんなアホな。それでも初代ゴジラの芹沢博士みたいなゴジラよりの人間キャラがいれば良かったと思うが、この映画の芹沢博士はただの解説役だった。

ハワイの夜にムートーとはち合わせた時に戦闘シーン入れられたのではと思うが、予算や色々な都合があったのだろうか。ゴジラの出番が少ないことについて文句は言わないが、だったら昭和の東宝特撮みたいに90分ぐらいにおさめてほしかった。

私にとってゴジラは破壊の象徴なので、ゴジラが調和者とか救世主扱いというのは腑に落ちない。それって平成ガメラシリーズじゃねぇかと思う(平成ガメラ好きだけど)。人間の味方(個人的には人間の飼い犬と思ってる)のヒーローゴジラは当たり障りはいいが、東宝映画でそういうゴジラ映画をつくっては人気低迷したり復活したりしてるわけで、でかい、強い、怖いの三拍子そろってこそゴジラの魅力だと思う。怖いが抜けたゴジラは気の抜けたビールみたいなもん。この映画はゴジラが放射火炎を吐くシーンしか見るところがない。
三樹夫

三樹夫