くりふ

GODZILLA ゴジラのくりふのレビュー・感想・評価

GODZILLA ゴジラ(2014年製作の映画)
2.5
【必殺ディープスロート!(笑)】

核の問題などまともに込める気はなく、単純に怪獣映画を作りたかったのね、と見え透いたのでそう楽しもうとしたけれど、出てくるのはどこかで見た画や演出ばかり。橋の襲撃は『パシフィック・リム』でも散々やってたなあとか。全く燃えませんでした。

唯一面白かったのは、ゴジラの必殺技がディープ・スロートだったこと(笑)。でも、シリーズ既出の技ですかねえ?

初代ゴジラは人類初の脅威で、なす術もないことがテーマともなっていましたが、本作ではゴジラを半世紀以上研究してきたわけでしょう? あまりに人類バカ過ぎ。

で、そのバカ田大研究所トップに渡辺謙を据え、ひたすらそのバカっぷりを晒し続けるのは日本リスペクトとはとても思えなかった。

で、船頭がバカだから米軍のバカも抑えられないという救いようのなさ。初代への拘りの前に、あまりに作りとしてバカっぽくて途中で飽きてしまった。

初代で私が好きだったのはゴジラの「器力」です。当時の日本人の様々な想いが込められた上で、さらに様々な解釈を呑み込んでしまう怪物ぶりが凄かった。あまり出来のよくない着ぐるみなのに、本気で怖いんですよね、得体が知れないから。

本作のゴジラにはそういう力はまったく感じず、CG肉の塊が蠢いているようにしか見えなかった。逆に、それが初代には触れないことにしたのかな、と思えて好感持てたのですが(笑)。

で、せっかくレンタルした超ブランド物の巨大ジョッキなのだから、日本に色目など使わず、現代アメリカの問題を直接注いだ方がずっと潔いし、ゴジラ出張編として素直に楽しめたろうに、と思った。

ゴジラ以外では、やっぱりアメリカ人の発想だな、と思ったところは幾つかあります。例えばKAIJUムートーは、「核のポカはなかったことにしたい欲」が生んだものだと思います。

あとラストシーンの印象は「9.11グランド・ゼロをそろそろKAIJUのせいにしておきたい欲」から。

他にも幾つかありましたがちょっと思い出せない。もちろん、主観の憶測ですけどね。芹沢バカ田大博士のバカっぷりは見過ごせませんが、その他は、ハリウッドの技術をもってしてもゴジラをこの程度にしか描けないことがわかったので、逆に誇っていいと思った。

でも、日本はアンサームービー作んなきゃダメでしょうね。

<2014.8.3記>
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