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アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ2の消費者のレビュー・感想・評価

3.6
・ジャンル
サスペンス/リベンジ/スリラー/バイオレンス/スラッシャー

・あらすじ
ミズーリ州の田舎町からモデルの夢を追い単身ニューヨークへと移り住んだケイティー
なかなか芽が出ず貧しい暮らしをする彼女はエージェントから宣材写真を撮り直すよう勧められる
それを受けてケイティーは無料で撮影に応じるというスタジオに依頼
しかし現場で服を脱ぐよう求められた事からそのまま帰宅する事に
だがこれは後の地獄の始まりに過ぎなかった…
スタジオを営む兄弟の次男ジョージーは一方的な好意から彼女の元に押し掛けた挙句、部屋に侵入し盗撮
更に暴力と共にレイプを受けてしまう
異変に気付いた親しい隣人ジェイソンもその場で刺し殺され絶体絶命に…
その後、ジョージーは兄弟2人を呼び出し彼女を拉致監禁
苛烈な虐待を受ける中、隙を突き逃げ出すがそこはアメリカから遠く離れたブルガリアだった…
警察には信用されず支援を申し出た女性アナに付いていくとそこは監禁されていた場所
彼女は兄弟の母だったのだ
そうして虐待が再開され、やがて彼女は箱に入れて埋められてしまうのだが…

・感想
「発情アニマル」の邦題で公開された同名作品のリメイク版シリーズ2作目
今作では原作や1作目と異なり国外への拉致という要素が加わっている

前作は原作をよりシリアスでリアルな作風へとアップデートし、復讐殺人も極めて陰惨な物となっている素晴らしい作品だった
しかし今作はケタミンで酩酊させられた挙げ句、ブルガリアへと拉致されるといういささか現実的とは思えない展開
その時点で若干冷めてしまったし、その後の展開も前作の焼き直し感が否めない
はっきり言って映画としてはあまり面白くはなかったかな…
監督は前作と同じなのでレイプや復讐における不快描写やゴア等は変わらず強烈なんだけど話の作りが雑なせいであまりノれないし…
描写の過激さが凄まじかっただけにただただ残念…
被害者ケイティーの絶望が前作以上に描かれてないのもなぁ…

また助けるどころか疑った事で罪悪感を抱く刑事のキリル
ケイティーに協力的な神父ディモフといった犯行とは無関係の人物達も何か安っぽいんだよな…
映像自体はちゃんとしてるから連ドラとかになってればまだ良かった気がした

後は一家の実態や背景などが台詞や行動から僅かにしか見せられなかったのも説得力を欠く仕上がりになってしまった要因として大きい
いっそマフィアとかそういう大規模な組織にして被害者が他にも登場していればリアリティーが生まれていたのでは?とも思った

原作もそれを踏襲しつつアップデートした前作も良かったからこそモヤモヤが残る作品
いわゆる拷問ポルノにしたいならもっと犯行や復讐に尺を割くべきだったろうし…
そもそも原作が実際の事件を元にしているという背景を考えるとそれはそれで倫理的にダメではあるけど
まぁ脚本家がダメだったんだろうなぁ、という感じ
スコアは不快描写とゴアの分、加点
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