Nakko

墨東綺譚のNakkoのレビュー・感想・評価

墨東綺譚(1992年製作の映画)
4.0
この時代のある意味のリアル
永井荷風という謂わば特殊な、でもその時に確実に存在したある人の視点から見たその時代、その人、その世界、リアル。

杉村春子、乙羽信子、津川雅彦、佐藤慶…そして監督の新藤兼人もみんな亡くなってしまったけど、みんな生きて活躍していた時を知っているので、"昔の映画"とは思えない。この映画を今作るとしたらどんなキャスティングになるのかしらと考えたりした。

墨田ユキは透明感があってすごく綺麗、浮世絵の美人画のよう。江戸時代の美人ってこんな顔だったんだ!って思えた。そして天衣無縫な役づくりが憎めない。

資生堂でアイスクリームを魔法瓶の水筒?に入れてお土産にもってくるシーンがなぜかリアリティを感じて印象に残る。

新藤兼人の描く"生"は鋭く力強く刺さる。
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