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チョコレートドーナツのHiiiのレビュー・感想・評価

チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)
3.9
久しぶりに再鑑賞。すごく好きな作品。

1970年代のNYのブルックリンでゲイの男性が育児放棄された障害児を育てたという実話に着想を得て製作された作品。
当時は今よりも同性愛者に対する偏見や差別が酷かったのもあり、裁判では子供について良い環境で本人が一緒にいたいと思っているかや、愛情を持って育てられるかよりも同性愛者ということばかり触れられていてやるせ無い気持ちになる。(本当に愛があったとしても、日本でもゲイカップルが養子を迎えようとしたとききっと同じような責められ方で裁判されて認められないんだろうな…)

日本でもネグレクトや虐待などで、どうしても戸籍上の親の元に返そうとするが、果たしてそれは本当に子どもにとって安心できる居場所になるとは限らない。その親がロクでもなくても、裁判のための嘘、自分の支配下に置きたいという自己中心的な考えも何もかも周りが幸せを決めつける物でも無いし、法律だけでは簡単にジャッジ出来ないからこそ難しい。

ダウン症の少年マルコがルディとポールと一緒にいる時、とても幸せそうな笑顔を見せていたのが印象的。

大変だと分かっても守ろうとして愛情深いルディ役のアラン・カミングの悲しく切なくて力強い歌と、ポールの手紙がラストに胸に突き刺さり、心に余韻を残す。

前回鑑賞時にはあまり気にしなかったけど、原題「Any Day Now (いつの日にか)」の方が、マルコと一緒に幸せに暮らす幸せな日や差別の無い世界を願ったような意味が込められててチョコレートドーナツより良かったかもと思った。
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