みよ

チョコレートドーナツのみよのレビュー・感想・評価

チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)
4.3
同性愛に対して差別と偏見が根強かった70年代のアメリカでの実話を基に育児放棄されたダウン症の少年マルコと彼を保護するゲイカップルの姿を描いたヒューマンドラマ。

血縁を超えた3人の関係は物差しではけして計れない愛情に溢れている。真実の愛は、なんて語れる身の程ではないですがその本質に触れられる素晴らしい作品。

他者をカテゴライズしてタグ付して自分とその他に分けてってよくあることだけど、それが差別の始まりであると再認識。後半にある法廷劇で交わされる会話はそんなことを浮彫にしとてつもない怒りと悲しみがこみ上げる。
安直なお涙頂戴で片付けない押しつけ感のない作りは数ある社会批判映画の中でもピカイチでした。
主演アラン・カミングは存在のリアリティがもの凄いの一言。演技や歌から役を超えた人間力みたいなものがひしひしと伝わってくる。劇中流れる音楽がとにかくいいのも見どころ。ボブ・ディランの名曲「I shall be released」が胸に迫ります。
泣ける映画、それだけではなく“見て意味のある映画”でお薦めしたい。
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