みよ

泣く男のみよのレビュー・感想・評価

泣く男(2014年製作の映画)
4.2
幼い頃、母親に捨てられ孤独な殺し屋となったゴン。完璧だったはずの任務で謝って少女を殺してしまい、失敗を挽回すべく少女の母親モギョンの暗殺計画につくが心が揺らぎ始める…。
私的オールタイムベスト「アジョシ」の監督新作とあって期待値上がりまくりで鑑賞。期待を裏切らない秀作でした。
冒頭、ジャズをバックに任務を遂行する短いながら完璧過ぎる銃撃シーンでその世界観に一気に持っていかれました。
欲に溺れたマフィア一味と女を救うと決意した裏切り者ゴンの一発触発バトルがとにかくすごい。 前作アジョシでは敵がほとんど雑魚だったけど、今回は相手もプロの殺し屋。 中盤のマンション銃撃戦はほんと圧巻。モノホン同士の血で血を洗う抗争が超リアルに描かれていて細部までこだわり抜かれた映像に驚きと興奮の連続でした。
アクションだけでなく、孤独な男の生きざまをチャン・ドンゴンが見事に体現。生きることも、死ぬことも、同じ様に捉えて来たと思わせる哀しげな表情に胸を突かれた。元同士との友情にも涙。男が選んだ衝撃のラストに開いた口がふさがらない。
所詮、女には分からない男の美学をまざまざと見せつけられた。だからこそ、そこに惹かれるし見ていたい。イ・ジョンボム監督に一生ついていく。
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