megさん

チョコレートドーナツのmegさんのレビュー・感想・評価

チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)
4.1
ダウン症の子どもとその家族を分かりやすく描いている作品として、私は高く評価したいと思う。
津久井やまゆり園の事件から2年、マルコやルディが教えてくれたことを忘れない。私の中にある偏見にも気づくしその間違いを教えられた。

人は男と女の間にだけ生まれるし、大抵はその二人によって育てられる。 染色体異常やほかの障害を持っていないのが普通。 自分や近い周りが普通ばかりなら、どうしても育つ過程でその頭の中に形成される異質と感じるものが似てくるのは仕方ない。 世の中の大多数と異質が世の中サイズでできてくるのも仕方ない。でもその異質の存在に出会った時の驚きを、恐怖や拒否ではなく、温かく優しい頭で受け入れられる人でありたいと思った。 人としての評価は、先ずは大多数であることが最低基準みたいなのは間違っているよね、まずは優しさではないかな、社会の中で生きているのだからそこに暮らすさまざまな人・多様性を否定しないことではないかなと思う。 この映画に出てくるリッチな弁護士や判事よりも ルディや障害児の教育をしている女性、調査員の方が圧倒的に優しいではないか。

マルコの最期と、それを知らせる手紙を読む人たちの様子は本当に胸に迫る。
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