たかが世界の終わり

チョコレートドーナツのたかが世界の終わりのレビュー・感想・評価

チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)
4.0

『人は誰でも守られるべきだと言い
その一方で打ちのめされろと言う』



誰かを救うために作られた法が
時に誰かを殺すことがある



「麻薬依存の母親も
他の子と違うことも
あの子が望んだわけじゃない
なぜこれ以上苦しまなきゃならないの?
何も悪くないのに」



不条理なことばかりの世の中で
それはおかしい、間違っていると
自らのリスクを冒してでも
警鐘の金を鳴らす人を、何故に無視するのか




“普通“を定義することの残酷さを
どのくらいの人が理解しているのだろう




「ぼくの家じゃない…
ぼくの家じゃない…」



普段は比較的無口なマルコ少年が
必死に訴え、嘆いていたこの言葉が
全てを証明していたのに。



彼が望み続けていた
“ハッピーエンド“の景色を
見せてあげたかったのは
私だけではないはず



間違った”正義”が導いてしまった
無慈悲過ぎるラストに言葉が出なかった