eiganoTOKO

フルートベール駅でのeiganoTOKOのネタバレレビュー・内容・結末

フルートベール駅で(2013年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

白人警官は明らかなレイシストではない、とレビューを書いている人を見て、
あ、ナチュラルに差別やいじめに気づかない人だ、って思いました。

先に殴った白人のレイシスト。この人呼ばれてないでしょ?事情も聞かずに集めたのは黒人のみ。理由もなしに逮捕、手錠、テーザー銃で狙うなど立場が逆転したらやるだろうか?
テーザーと実弾銃間違えたって理由で刑を軽くしてもらえるだろうか?

社会が見逃しているから、フードを被っているだけで怪しまれ暴行を受ける黒人がいる。
この映画を見て「悪を悪として書いてないからいい」なんて言えるのは日本に住んでる日本人だからだよ。

日本で財布をなくしたバックパッカーが「そばを通った旅行中の中国人の仕業かも」と言った。日本にバカンスで来ている中国人なんて金持ちだから盗まないよ…。

田舎で自動車を盗まれた友人が「朝鮮人か中国人のの集団らしい」と言った。
根拠は?と聞いたら、噂だって。

日常の差別が、一人の日常を殺す。

それは国が変わっても同じ。

いつだって自分で調べて判断しなきゃね。

ホームビデオのようにゆれる画面。
家族、友達、初対面の誰か。
彼の日々。
結末は知っていたしニュースを見て憤慨していたけど、この映画の大半をしめる「何気ない毎日」をみていて改めて1人の人が死ぬってことを考える時間ができた。

携帯やりとりのワイプ画面。
刑務所にいた間接的にオスカーを殺したとも言える白人レイシストの登場。

無駄のない演出と、伏線。
初の長編映画とは思えない!
公開当時26才の監督ライアン・クーグラー!
いまの差別問題を、いま撮る勇気に拍手。
監督はインタビューで「プロパガンダじゃない」と答えているが、それは社会的状況としては無理なお話よ。
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