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ジュラシック・ワールドのako4uのレビュー・感想・評価

ジュラシック・ワールド(2015年製作の映画)
5.0
USJのフライングダイナソーに乗るたびに
ザラの壮絶すぎる最期が偲ばれます
「ザラに比べれば こんなもの(フライングダイナソー) 一周まわって帰ってくる」


4作目にして、急にジュラシックの世界が、オシャレにスタイリッシュに私好みに
2・3作目が好きじゃなかったので 観るか迷ったのですが、観てほんとに良かったです

まずなにより、登場人物1人1人が 魅力的になりマシタ☆
(グラント博士以外) 胸焼けするような馬鹿者ばかりがわんさかさっさだった前作までと比べ
脇役までちゃんと 英知の光とチャームがあります

なかでも、クリス・プラット演じるオーウェンの輝きは、今まで恐竜に対して不甲斐ない輩ばかり見てきたので、一際眩しいですね
登場シーンでのラプトル対応も、インドミナンス・レックスのパドックのシーンも、ラプトルを従えてのバイク出撃も、最高にかっけぇ

クレアも好きです
「私も行く」とシャツを捲るシーン、オーウェンの手になんか目もくれない一目散、9号パドックを開けろと命じる仁王立ち
(でも、クレアの髪に 途中で急にウェーブかかるのは、映画としてあっちゃならない大事故だろ)

子どもは どのジュラシック作品でもまぁまぁ可愛いけど
この作品の兄弟は めちゃ演技が上手だったなぁ
お兄ちゃんの お年頃感、でも 咄嗟の時は 自然と弟を庇う腕
弟が 身体に爪をかけられた時の 涙でいっぱいの瞳や 恐怖の表情も 名演だった
トラック内の2人の会話には涙も出たよ

あと「誰かが残らなきゃ」つって残るロワリーさんも 名脇役
最高のタイミングでふられる 眼鏡のロワリーさん

それから、ただ食べられるためにでてくるモブにも一寸の魂を感じます
最初にインドミナンスに喰われる デブの監視員の演技は なんだかリアルで マジで切ないです

いや、1人だけ、途方もないクソやろうがいたな、ホスキンス
衝撃の一言はこれ
「恐竜は 7500万年前に自然が創造した殺人兵器だ」
「絶滅した生物に 生存権はない」
そんなわけないだろ


人間のみならず、恐竜についての演出もすごく良くて、恐怖と魅力が伝わりました

まず見せられる、ディズニーのような 整然としたアミューズメントでの、ラプトルの曲芸や 水しぶきがお約束のモササウルス水中ショー
(このパーク マジでちょっと行きたい)
後々、恐竜たちへのコントロールが効かなくなってゆく過程を 際立たせます

オーウェンが、豚のせいで落ちた飼育員を
ラプトルからレスキューするあのシーンも、リアリティがあって、ジュラシックシリーズで初めてってくらい本気で 息を呑みました

今までは 喰われるシーン どっちかというと爆笑 あるいは 失笑 だったんです
でも、大きな口でひとのみにされる太っちょさん
車の隙間から見る血に濡れた牙
HAMADAの腕に落ちてくる血
ザラの運命
迫りくるプテラノドンの尖った嘴
今回は マジで身の毛がよだちました

パドックを飛び出すラプトルたちの疾走
監視カメラや暗視カメラを使った演出
小さく健気にすら見えるラプトル
ブルーが、首輪をとったオーウェンを背に 牙をむくとこや
鳴き声がして ヤツが走ってきた時には
ブルーかっこよすぎて 涙が出ました

映画の締め方も素敵じゃないですか? 束縛を逃れ ビルの上で叫ぶ 絶滅種


欲張りなことに恋愛要素も織り込まれていて、そしてそれがすごく成功してました
オーウェンとクレア
お互いの勇姿に惹かれあっていく過程が 自然で 繊細に描かれていて
僕 そのへんの恋愛映画じゃぜんぜん泣けないのに
「私たちどうする?」
「一緒にいよう」
で 涙ぼろぼろーてなりましたワ
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