浪川リオン

ノア 約束の舟の浪川リオンのネタバレレビュー・内容・結末

ノア 約束の舟(2014年製作の映画)
2.4

このレビューはネタバレを含みます

聖書全然詳しくないんだけど、人によって解釈が違うような… すごく罰当たりだけど悪く言えば曖昧なストーリーにリアルなビジュアルで肉付けすると滑稽というか狂気に見えてくる。現代の倫理観から見るとノアの行動は常軌を逸し過ぎていて好意的に見るのがかなり難しく、後半のあるシーンでは本当に映画を見るのを止めそうになった。

様々な動物が方舟にやってくるシーンの迫力は圧巻だし、ノアが洞窟で祖父と話すシーン等の陰影の強い画面は絵画のようで見ごたえはあったのだが、ストーリーにはもっと娯楽としての味付けが欲しかった。映画の、というか監督や脚本家独自の解釈を加えて見ていて気持ちの良い主人公にして欲しかったと思う。
具体的に言うと崖にしがみついてる人達を命懸けで助ける人であって欲しかった。見ていてこんなに気持ちの悪いラッセル・クロウは初めてだ。悲鳴を聞きながら食う飯はうまいかい? あと長男と養子ガール。お前らは次男探して来いと言われてるのに何呑気にセックスしとるんじゃ。

目の前で好きピ=ガールを踏み殺されてぼっち旅に出るしかなくなった次男が心底可哀相だし、もう一度見たいとは思えないです。

一番好きなシーンはノアが天然ワインを浴びるように飲んで酔いつぶれるところ。うまそう。(ミケランジェロが絵にしてるくらい有名な場面らしいですね)

…ウィキペディアによるとノアはこのあと恥をかいた事で逆ギレ気味に次男の子供に呪いをかけた…とあるんですが、方舟を降りた時点で次男に子供がいたんだとしたら、次男の好きピ=ガールも船に乗せてあげる展開でもさほど聖書の筋書きと矛盾しないし問題無かったのではないだろうか。次男をいじめたくて、ノアの狂気度を描きたくてこんな展開にしたのか?とひねた見方ばかりしてしまうよ……

『次男の好きピ=ガールも崖にしがみついてる人達も助けるようなヒーロー映画見たいんならマーベルとか見れば?』と言われたら、まあその通りなんだけど。

言っても仕方ないけど、そんなに栄養のあるものを食べてるはずないのにノアの体が随分がっしり太ましいのと服の仕立て屋なんか存在しないはずなのに衣装の縫製技術がめちゃくちゃ高そうなのがちょっと気になりました。
後半、何故かノアが坊主頭になるけどそんなに切れ味の良いハサミが古代にあるんだろうかとか。
イチャモンばっかりですね。

パンチラ回数:0

追記:…監督の作品を見たら『レスラー』とか『ブラック・スワン』とか好きな映画ばかりで驚きました。この監督にはやっぱり現代劇のが似合ってるんでは。
ノアの奥様役の女性、目と眉の近いお顔立ちにすごく見覚えあったのだけど『レクイエム・フォー・ドリーム』の女の子役だったのね…… なるほど。