Torichock

我が家のおバカで愛しいアニキのTorichockのレビュー・感想・評価

4.0
「Our Idot Brother/我が家の愛しいバカ兄貴」

3年前から存在は知っていましたが、ずっと日本公開を待ちつつも、結局のところ劇場未公開。それどころかソフト化にしても遅すぎるぜ、ちくしょう!とか、ぶつくさ言いつつやっと鑑賞出来ました。
いい加減、面白いコメディは日本でもちゃんとかけて欲しいものです。タランティーノもベスト10に選んでるしね。

"ぼくたちの奉仕活動""ウォールフラワー""ディス・イズ・ジ・エンド"
本人に関わらず、今思い出しただけでもニンマリしてしまう好きな作品に出演してくれるポール・ラッドがバカ兄貴で、その妹を世界中の男が恋をする乙女、ズーイ・デシャネルが演じていて、さらにその妹はレズビアンで、恋人は"セレステ&ジェシー"のラシダ・ジョーンズが男演技。まぁ、エリザベス・バンクスは”ハンガー・ゲーム”のうるさい女ってくらいで、いまいちよくわからないけど、ここまで好きなキャストばっかり出ていると、安心して見れました。

とんでもないくらい天然、いや天然を通り越して自然レベルにまで手をかけたピュアで優しいイイ奴・ネッド。
自分の利益や立場とかを考えず、”ありのままでぇ~”と歌いだしそうなくらい、自分の愛する人や犬が、もっとも幸せになることを最優先し、猛進できる存在。
彼の存在と純粋すぎる行動が、妹たちに迷惑を与えまくるんですが、やがていろいろな問題を抱える妹たちの生活に災いをもたらしつつも、結局は妹たちが本当の意味で”幸せになれる”回答を、本人の意志とは別に(←ここが大事、彼は彼なりに精一杯頑張ってるつもり)導きだしていくんです。
立場や常識、出世欲・愛の形までも、その純粋さで浮き彫りにしていく様は、滑稽でありながらも、かわいらしい妹たち(まぁ、特にズーイなんだけど)の演技で愛らしく見えるし、妹たちがかわいらしく映るという事はすなわち、
バカ兄貴の優しさにグッとくるわけなんです。特に最後のシーンで、”おれはただ、家族と楽しくゲームがしたいんだ!”と激昂する場面は、泣き笑いの表情を浮かべて画面を見つめていました。

好きなものを純粋に愛し、本当に大切な人を大切にすべき人が大切にする。そんな当たり前が詰まった、優しくて笑えて温かいハートフルコメディここに極まり、って感じでホッとする作品でした。
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