イチロヲ

アメリカン・パイ in バンド合宿のイチロヲのレビュー・感想・評価

3.0
高校の卒業式をご破産にした問題児が、吹奏楽部の合宿に強制参加させられる。「アメリカン・パイ3」以後から新規開始した、スピンオフの第1作目。既存作品(本編)に登場する、脳筋野郎スティフラーの弟を主人公に据えている。

吹奏楽部の異端分子となった主人公が、合宿先でお下劣コメディを繰り広げる。弟役の演者が、兄貴のキャラクター像にきちんと寄せながら芝居しており、ヒロインの女優が本編の女性陣よりも可愛らしい。

本作では既存作品(本編)の主人公の父親が風紀委員長となって登場。本編のメイン・キャラクターに起こった出来事(3作目と最終作の合間の出来事)を、台詞でさりげなく開示していく手法が巧い。

筆者が学生だったときは、自然体のままで異性間交遊ができてしまう吹奏楽部員に対して、嫉妬と羨望を向けていたものだが、その感覚は本作もまた同様。ジェラシーを多分に受けることになるが、脱童貞ではなく、自己の相対化へと進展するところが心憎い。
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