MasaichiYaguchi

想いのこしのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

想いのこし(2014年製作の映画)
3.4
平川雄一朗監督の本作はポスターやチラシの感じが「ツナグ」を彷彿させたので、ある程度内容は予想していたが、やはり人に想いをつなぐことをテーマにした映画だった。
「ツナグ」では想いをつなぐ「使者」である高校生の渋谷歩美を松坂桃李さんが演じていたが、本作でその役目を果たす女と金にしか興味のない駄目男・本多ガジロウを岡田将生さんが演じている。
同じ役目を果たす者でも歩美とガジロウではまるで違う。
ただ2人に共通なのは想いを届けるうちに本当に大切なものは何かに気付く点にある。
ガジロウはイケメンだが、物欲と色欲に塗れた生活を送っている。
その物欲の果てが原因で起きた交通事故で、3人のポールダンサーと運転手が亡くなり、幽霊となって彼に付きまとい始める。
彼は4人が成仏出来ない現世の未練を叶えてやることを引き替えに、彼らが残した金を頂戴することにする。
岡田将生さんファンの中には、彼が4人の為に「あんなこと」や「こんなこと」をするシーンに引いてしまう人もいるかもしれない。
金銭欲から始めた彼の「代行業務」は、一つ一つ遂行していく中で彼に変化を与えていく。
色々と設定に無理があって突っ込み所も多々あるが、大人のハートフルコメディーと思えば、作品の根底にある優しさに癒されると思う。
人は色々な想いを抱えて生きている、だから届けたい想いがなかなか伝わらない難しさやもどかしさ、そして逆に伝わった時の喜びが作品に溢れていると思う。