柏エシディシ

007 スペクターの柏エシディシのレビュー・感想・評価

007 スペクター(2015年製作の映画)
2.0
「007映画を越えた007映画」としての傑作スカイフォールを受けての続編。

結果は、凡庸な007映画です。
お馴染みのアヴァンタイトルのアクションシーンはメキシコシティの死者の日のエキゾチックの雰囲気と合わせて、さすがに持っていきますが、アトのアクションは尻つぼみです。

もったいぶって登場する大物悪役としての「スペスター」も、組織としても、クリストフ・ヴァルツのキャラクターも弱過ぎです。
取って付けた様なボンドとの因縁の設定も、説得力薄っ。

レア・セドゥーのボンドガールも、ボンドが「決定的な決断をする」女性としての説得力を描写しきれてない様に思いますし(不思議とレアは好きな女優なんですが)、
「ボンドボーイ」的なQの扱いも、「MI5」のトムクル、サイモンペグを経験した観客には、何の新鮮味もありません。

結末に向けたテンポも悪すぎ、ヘリコプターを撃ち落とすくだりは、さすがに、、、。

当方は、父親に連れられて、全作とは言えずとも、幼い頃よりコネリー版ボンドからはじまり、007シリーズを嗜みつつ、
ある程度映画が「観れる」様になった頃、ブロスナン版ボンドを中身の無いスパイ映画と揶揄して敬遠し、
シリアス路線のクレイグ版ボンドは鬱陶しく思いながらも、
「スカイフォール」で手のひら返しで平伏した程度のファン、ではあります。

ファンの想いの重さによって、評価の変わる所の多い作品(ボンドガールの扱いや、ボンドの決断に関して)だと思いますが、スパイ映画の傑作の並んだ2015年においては、厳しい評価は否めないかと。
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