daiyuuki

ラブ&ピースのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

ラブ&ピース(2015年製作の映画)
4.8
楽器の部品会社で働く鈴木良一(長谷川博己)は、以前はロックミュージシャンを目指していたが挫折。同僚の寺島裕子(麻生久美子)に想いを寄せているが、小心者すぎてまともに話すこともできない。
ある日、良一はデパートの屋上で一匹のミドリガメと目が合い、運命を感じる。諦めたロックミュージシャンへの道、裕子への想い…良一の人生を取り戻すために必要な最後の欠片〈ピース〉との出会いが転機となり…。
園子温監督が書き下ろしたオリジナル作品!

万年胃弱で冴えない鈴木のサクセスストーリーと怪獣映画のミックス。「地獄でなぜ悪い」と同じく自伝要素が強いので、主人公の閉塞感や成功への執念がリアルだし、貯水地でのがらくた達のシーンはティムバートンっぽいし、夢や豊かになることが果たして良いことかという硬派な問いかけ、音楽業界の裏側のシニカルな風刺、長谷川博己のダメ男とロックスターの絶妙な演じ分け、麻生久美子の地味女ぶり、ファンタジックな傑作青春ファンタジー映画です。
daiyuuki

daiyuuki