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猿の惑星:新世紀(ライジング)のくりふのレビュー・感想・評価

2.5
【で、「猿の惑星」っていつ出て来るの?】

前作で懲りたので、今回はレンタルにしました。B級アクションとして気軽に楽しむ内容だと思うのですが、オリジナルと違いユーモア皆無で、やたら深刻ぶるからあまり好きになれない。

最終決戦なんてサル山のボス争いでしょう?人間が真面目にみるものか?どうも、オリジナルより人と猿との境界を曖昧にしたがるから、アイロニーの効きも悪くなっていますね。

シージーシーザー、確かによくできているけれど、愁いさえ帯びる細かい表情つくる度、その「熱演」に笑ってしまう。

そもそも、猿の脳が発達したら「人間ぽく」なるんですかね?

他、シーザー以外は「頭のよくなるガスぷしゅー」一発だけの一発猿なのに皆さん、まあお利口になっちゃって…シラケます。

オリジナルで面白かったのはヒエラルキーの逆転で、人間どころか猿と逆転してしまうのがキモで、それが始めに来るからショッキングだった。

薬で人工的にお利口になる過程をちまちま見せられても、なんか当り前なんですよね。いわばニューエイプ、とでも言うのでしょうか。猿であって猿でないから驚きもないです。なんでもアリな気分になります。

今回は猿軍団の銃撃戦が見せ場ですが、リアルなCGを目指して来ちゃっているから、そもそも猿って銃、撃てるんか?と首傾げた。人間だって訓練しなきゃ的にも当たらないと思うけど。野性のカンや猿の筋力で、初めて触った銃をああも扱えるのだろうか?これがB級アクションでござい!て顔していれば気にならないんですけどね。

前作でウィルス流行らせたのは、猿の勢力が少なくてあっという間に制圧できちゃうから、人間側を減らそう、て発想ですよね。これも安易だなあと。でも、あれだけ人殺してもまだ猿が少なくて、今のままじゃせいぜい『猿の島』くらいしかできそうもないですね。

オリジナルは猿の惑星から始まったから、シリーズ化でも違和感なかったけれど、今回のリメイクは思いきり看板に偽りあり。物語的には『The Lord of the Apes』なんて方が相応しくなってきた。

全体、やっぱり前作同様、パンデミックで味つけたアニマルパニックもので終わってしまった。

でも三作目から急に面白くなる、という可能性だってあるだろうし、いちおう次に期待します。レンタルで気楽にみる分には、映像商品としてはしっかりしているしね。

<2015.3.30記>
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