Aika

パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニストのAikaのレビュー・感想・評価

3.0
その手に才能を与えたのは
天使かそれとも悪魔か。

19世紀イタリア。
そのヴァイオリン技巧は「悪魔に魂を売り渡した代償として手に入れたもの」とまで言われた天才パガニーニ。

彼については名前くらいしか知らなかったのでこの映画をきっかけにいろいろ調べたんだけど、確かにとても興味を惹かれる人物。

ただこの作品がその関心を満たしてくれたかというと別。
パガニーニを演じたのは現代のパガニーニとも呼ばれるデヴィッド・ギャレット。製作総指揮そして音楽も手がけ、5億のストラディバリウスで演奏シーンはとにかく魅せてくれます。
超絶技巧のオンパレード、耳でも目でも楽しめる演奏は最高なんですが、なんせ脚本がよろしくない。

演奏シーン以外はパガニーニはただのだらしない男性にしか見えない。
なぜそんな自堕落な生活を送るのかわからないし、何がしたいのかも不明。
ギャレットは俳優ではないから演技で魅せるのはやはり難しいのかな…

パガニーニの強烈なキャラクターをもっと掘り下げれば面白くなっただろうにと惜しまれます。

ちなみにギャレットがこの映画にインスパイアされ作ったアルバム「愛と狂気のヴァイオリニスト」も聞いてみたけど、あまり好みではなかった…とことん合わなくて残念。
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