これまでのイーストウッドとは少し毛色が違う作品。
というのも、この映画ではメンバーの四人が観客に逐一語りかけてくるというメタ的な演出が多用されるからだ。
しかし、一見ドラマを壊しかねないその演出がかえってドラマ展開を円滑に進めることに貢献している。
この映画はフォー・シーズンズの伝記物であるため、彼らの人生の中からエピソードを抽出して描く必要があるが、この「語りかけ」の演出によって一つのエピソードをまとめ、次のエピソードへの移行へとつないでいる。
彼らの山あり谷ありの人生を見た後に感じるラストシーン。
これだけ幸福感を味わえるラストはなかなかない。