一人旅

荒野はつらいよ アリゾナより愛をこめての一人旅のレビュー・感想・評価

5.0
セス・マクファーレン監督作。

『テッド』(2012)のセス・マクファーレンが製作・脚本・監督・主演の一人四役をこなした痛快ウエスタンコメディで、悪党に命を狙われた羊飼いの青年の奮闘を描きます。

1882年、西部開拓時代のアリゾナ州、臆病者の羊飼い:アルバートは酒場でミステリアスな美女アナと出逢い惹かれ合うが、やがて彼女の夫である西部一の極悪人クリンチが手下と共に町に乗り込んできて…という西部劇コメディで、優しい性格だが度胸と男らしさに欠ける冴えない羊飼いと凄腕ガンマンの美人ヒロインとの出逢いと恋愛感情のゆくえを軸に、妻の心を奪った羊飼いへの復讐を誓う極悪人との決斗クライマックスへと雪崩れ込んでいきます。

『テッド』のセス・マクファーレンが監督なので、お子さまNGの際どい下劣ネタ&下ネタ&不謹慎ネタが随所に盛り込まれた抱腹絶倒のウエスタンコメディとなっていて、黒人奴隷に見立てた的を狙う射的ゲームや売春婦の意味不明な貞操観念、決斗直前の下痢パニック…と男性客大うけ、女性客ドン引きの小ネタが連発されますし、モブキャラたちのグロテスクな死に様も鮮烈な印象を残しています。また、『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』(1990)や『ジャンゴ 繋がれざる者』(2012)のパロディシーン&カメオ出演も映画ファンにとって嬉しい特典となっています。

主演のセス・マクファーレンがダメンズ羊飼いを飄々と好演していますし、相手役の美貌シャーリーズ・セロンや大悪党リーアム・ニーソンら脇を固めた大物俳優の存在感も際立っています。
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