サスペンスの１つの到達点であり、脚本や美術などどの点においても完成された極上のエンタメ作品。全体の構成を大きく3つに分け、ストーリーの緩急をつけて中盤以降も観客の注意を掴んで放さず駆け抜ける。平均50テイクという徹底ぶりからも、この作品がいかに緻密に製作されているかが窺える。
キャスティングも素晴らしい。ロザムンドパイクは惜しくもオスカーを逃したものの、エイミーの持つ底知れない人間性は強烈に脳裏に焼き付いた。
個人的には本作のテーマと映画の主張に非常に共感出来たが、フィンチャー特有の退廃的な雰囲気に呑まれ、嫌悪感を覚える人も多いかもしれない。
