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天才スピヴェットのikoanのレビュー・感想・評価

天才スピヴェット(2013年製作の映画)
4.3
かなり面白かったです。
10才の天才少年T.S.スピヴェットが故郷のモンタナ州からワシントンDCに向かう無賃旅行を、アメリカの美しい風景にT.S.の回想や妄想を挟みながら描く話。監督はアメリのジャン.ピエール.ジュネ、映像も設定も独特、かなり凝ってますよね。
主人公のTSスピヴェットはレインマンの様に脳の障害で、ある種の能力に特化してる、そんなタイプの天才とは違い、社会性も、子供らしい情動も持ち合わせ、知能の発達以外はごく普通の10才の少年なんです。
父親は時代錯誤のカウボーイ、母親は虫の事しか興味のない昆虫学者、姉はアイドル志望でやはり自分にしか興味無し。科学雑誌に掲載されるようなレポートを書いても学校の教師には信じてもらえず、タイプは違えど唯一話せる双子の弟を事故で失う。正に居場所が無くなる訳です。
そんな折、自分の発明がスミソニアン博物館の科学アワードに選ばれる!初めて自分の存在を認められたTS.は迷った挙句、授賞式に出席を決意、いざワシントンDCへ!
と言う訳で無賃旅行なんですが、いいですね〜、途中の風景はすこぶる美しく、途中で出会う人達とのエピソードも面白く、挟まれる回想、妄想で、主人公の心情が少しずつ明かされ、そしてクライマックスは授賞式のスピーチ!泣かされます。
そこから先は蛇足感あるけど、でもいい話でした。やっぱ無きゃダメか…。
主人公を演じるカイル.キャトレット、ジャケットの写真が如何にも天才っぽい写真なんですが、あれは授賞式用、本当は可愛い子役です。
役者良し、脚本、演出、映像良し、音楽も可愛く言う事無しでした。観終わった後じゃなくて観てる最中に、いい映画と思える、傑作!
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