メルヴィルの傑作小説「白鯨」を元に作られたロン・ハワード監督の1作。
白鯨と言えば、やはりそのメタファーをどう読み取るのかが重要になってくる。だが、本作その辺に実は重きを置いていないと思う。ロン・ハワードと言えば「ラッシュ」や「シンデレラマン」等"男"の生き様をカタルシスたっぷりに描くのが上手い監督だ。
その作家性のためか白鯨は結局の所、立ち向かうべき内なる悪魔という抽象的存在ではなく、災害映画における災害でしか無かった。
その代わり男達のサバイバルムービー的な側面がかなり面白かった。
本作で一番素晴らしいのはそのCGの迫力と実写との融合の上手さだろう。
未だにCGの素晴らしいに感嘆することになろうとは。