きえ

リトルプリンス 星の王子さまと私のきえのレビュー・感想・評価

3.9
年末も近付いて来たので、今年劇場で観た作品でレビューを書けてなかったものをアップしています。

2016/01/08
今年の初劇場鑑賞作品。
『今年の邦画は凄い!』は何度も口にしてきたけど、『今年のアニメも凄い!』
それを予感させる今年第一発目のアニメ作品でした。

この作品は、世界的ベストセラー、サン=テグジュペリの『星の王子さま』のその後の物語を描きながら、一人の少女を通して"大人になってしまった"私達に忘れてしまった"大切なモノ"を気付かせてくれる。

人生のレールを親に決められた少女が、隣に住む老人に出会い、星の王子さまの話を知る事から新たな扉を開く為の冒険に出ると言うストーリーは、現在の部分はCGで、想像する星の王子さまの世界はストップアニメーションと言う手法で別々の世界観によって描かれ、とても分かりやすく楽しめる。

私も持っている『星の王子さま』の絵本。
行き詰まった時などに幾度となく読み返し「大切なモノは目に見えない」を時々確認しながら前に進んで来たように思う。そんな大切な絵本の物語は全く壊さずにこの映画は作られている。

人間の優れてるとこは『忘れる事』悲しみは時と共に薄れる。大人になると言う事は『忘れる事』を身に付ける事でもあると思う。でも『忘れてはいけない事』もある。子供の頃の無垢な気持ち。感動。心の目で見たモノ…つまり目に見えないモノ。

例え姿形が変わろうと時が経とうと心の目で見たモノは永遠に変わらない価値と感動と美しさを残す。本当に大切なモノとはそう言う事だろう。形じゃない。だから見えない。そんな事を再確認した所で吹替版のラストにユーミンの主題歌♬

この作品は大人になってしまった"大人"にこそ見て欲しい。
きえ

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