ダニエルクレイグ

夜に生きるのダニエルクレイグのネタバレレビュー・内容・結末

夜に生きる(2015年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

禁酒法時代のボストンで、ジョーは警察幹部の父親に厳しくしつけられた。だが、彼はその反動でギャングの世界に足を 踏み入れる。ある日、ジョーは強盗に入った賭博場でエマと運命の出会いを果たすが、彼女は対立している組織のボス の愛人だった...。

特殊メイクをしていないゾーイ・サルダナを初めて見た。シエナ・ミラーはやっぱり綺麗だし、どんどんブラックになっていくベ ン・アフレック演じるジョーは魅力的。やり口は自らが嫌っていたギャングのマソ・ペスカトーレらと同じように、相手の女や 家族に取り入って内からえぐっていく。クリス・クーパーも迫真の演技でアクセントになり、かなり効いていた。そして心に傷 を負ったエル・ファニングの青い目とあの演技は目に焼き付くよう。麻薬漬けで注射の痕だらけの両腕を広げたスピーチは 印象的だったし、ジョーやフィギスの間の重要な立ち位置を見事に演じていた。喉を裂いて自死というのもストーリーにイ ンパクトをもたらした。

ストーリーは美女との出会いや権力者同士の抗争による銃撃戦やカーチェイスを描きつつも、脅しと殺しのシーンに重 点が置かれていた様に思う。ラストのロレッタを失いジョーに狂わされたフィギス(クリス・クーパー)の「悔い改めよ」もな かなかの衝撃。

ゆったりしたラインのダブルのスーツや、質のいいフェルトハットなど、20年代のクラシカルなファッションは「ゴッドファーザー」 を思い出し、見どころの1つ。構成や演出も洗練されていて、 見ていて全く退屈しない作品であった。そしてベン・アフレック、「アルゴ」に続き監督もということで、ポスト・イーストウッドと称されるところを見せてくれた。