Omizu

世界で一番悲しい音楽のOmizuのレビュー・感想・評価

世界で一番悲しい音楽(2003年製作の映画)
4.0
カナダの鬼才ガイ・マディン監督作品。カナダ版アカデミー賞であるジニー賞では監督賞など4部門にノミネートされ編集賞など3部門で受賞した。

ガイ・マディンは「名前は聞いたことあるけど…」という程度だった。フィルメックスで昔特集上映があったということも知らなかった。そんな状態で観た本作、予想以上に面白かったし変な映画で好みだった。

1930年代のクラシック映画を再現しつつ、複雑な編集で夢幻的な印象にするというよく分からないことをやっている。でも話のプロットは案外簡単で、兄弟が一人の女を取り合うというだけ。

そのプロット自体よくある昔のハリウッド映画だが、ガイ・マディン特有の夢の中のような編集によって独自の色で染めている。

とにかくカット数が多い画面、独特の小道具や衣装ととりつく島もないが、市山氏と柳下氏のトークによるとこれでも分かりやすい方だという。

感想がまとまらないが、とにかく好きだった。悪夢の中に迷い込んだような世界観がとにかく変わっている。変な映画だけどプロットは割と確かに分かりやすい。この機会に観ることが出来て本当に良かった。ちょっとガイ・マディン追ってみよう。好きな作家だと思う。
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