皿と箸

プロミスト・ランドの皿と箸のレビュー・感想・評価

プロミスト・ランド(2012年製作の映画)
3.9
シェールガスを巡る田舎とガス会社の軋轢は、そのまま新自由主義と保守主義の対立とも受け取れる。

極短期の瞬間だけ取り出してみると、マット・デイモン演じるスティーヴの言う事は正しい様に見える。
そして悪人ではないと主張し続ける彼は、本気で再興への唯一の選択肢を売っていると思っている。

一方で反対する人々は今は亡き祖先と、まだ産まれてもいない孫世代まで想いを馳せて、今はいない人々の気持ちになりきって想像力を働かせる。

この対比はまさに今世界全体で起きている対比であり、現実の話で言うと世界中にマットデイモンの様な悪意の無い企業の操り人形が大真面目にせっせと仕事をして格差は広がり続けている。

そして資本主義は需要の限界を突破して、次は資源の限界にぶち当たっている。
この資源の限界を技術革新によって突破出来るのだろうか。

もし水圧破砕法に変わるゼロリスクの方法が可能になったとき、人々はどのような選択をするだろう。
ファクトを前提とする資本主義に記憶という曖昧模糊とした感覚でどこまで戦えるのか。

SDGsだろうが、ESGだろうが、パリ協定だろうが、京都議定書だろうが、資本主義に新たな大義名分を与えるに過ぎない。
皿と箸

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