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ヴィオレッタのネのネタバレレビュー・内容・結末

ヴィオレッタ(2011年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ヴィオレッタは、なかなか帰ってこない写真家の母の愛情を受けたくてモデルを引き受けるが、どんどん過激になっていく要求に応えていくうちに、どんどん崩壊していく。

ゴシックで耽美な世界、そしてヴィオレッタの少女から女へ次第に変容していく様は、この世のものとは思えないほど美しい。ただ、この話は実話である以上、消費されることを嫌った監督があえて作品として世に送り出したものを、「美しい」とだけで消費するのは躊躇われる。
ただ、自分は今でもゴリゴリにルッキズムに縛られている自覚があり、それらとどうやって距離を取ればいいのか分からずに立ちすくんでいる。
見せ物として、女として消費される大変さは一応体感しているつもりだけど、大変だったね、と寄り添うことが正解なのだろうか?

芸術はずっと昔から死を美化してきたが、結局生活の中の死は肉体が腐り、燃え、残った者には遺産相続や遺品整理の雑務がのしかかる。決して美しいものではない。心の底で、本当は怖いものを美とすることで自衛をしているのかなとふと思った。
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