タマル

FULL METAL 極道のタマルのレビュー・感想・評価

FULL METAL 極道(1997年製作の映画)
3.6
「でかいっ……! 剥けているっ!!」

以下、レビュー。

三池崇史a.k.a.日本最後の核弾頭監督のSF任侠映画。ロボコップならぬロボヤクザ、といえば聞こえはいいが、ガシャンガシャン音がするのは最初だけで、めんどくさくなったのか途中から滑らかに動き出してしまう。
キャストが大変豪華。同年公開の『HANA-BI』で足が動かなくった刑事を熱演した大杉蓮さんが、本作では片腕を失くした敵ヤクザの組長を演じている。絵を描き自分の人生と向き合う大杉蓮。片やロボヤクザに首を切り落とされ、首だけの表情を迫真の演技で表現しきった大杉蓮。どちらが当時の客を喜ばせたかは神のみぞ知るところである。
そして、当時は「北村康」だった北村一輝もクールなライバルヤクザで存在感を示している。この舌を噛み切ったボンテージ女を犯している男が、将来、猫を愛でる侍の役で一世を風靡することになろうとは誰も想像し得なかっただろう。彼は本作への出演をきっかけに三池監督から改名を勧められ「北村一輝」になったのだとか。実は「北村一輝史」にとっては重要な一作である。
マッドサイエンティストを怪演した田口トモロヲも見逃せない。「兄貴……死んじゃったんすか……?」という問いに対して、唐突に上着を捲り上げ自慢の巨根を見せびらかす。そして映画が終わる。恐らく映画史上『ファイトクラブ』に並ぶ衝撃のラストだろう。

うじきつよしがハマらなかったこと、流石にロボの身体には見えないこと、トンデモ要素がまだ足りねぇと思ってしまったことからこの点数にした。観るべき価値はある。
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