撃沈した客船の乗客を、Uボートのクルー自らが救助したというラコニア号事件が題材のテレビ映画。(85分×2話)
極悪ドイツ軍と大正義連合軍の映画ばかりがあふれている中、戦争と救助活動を切り分けて考えている軍人さんであると同時に海の男たちのお話で、クオリティが高いことでおなじみのBBCも関わっているためか、見ごたえがとんでもない。
いいやつ同士が殺し合っているという戦争の実相を暴き出して、われわれに突きつけてくる。
後半になると似たケースとして「クリスマス休戦」の話題が頻発する。映画だったら、「素晴らしき戦争(1969)」とか「戦場のアリア(2005)」さえ見てれば事足りる。
つまり今回だけは許されるけど、今回がきっかけになってWW1のときと同様、取締りが強化されることを、登場人物たちは予見している。そして事実そうなる。
このときに発した「ラコニア命令」でデーニッツはニュルンベルグで裁かれることになるし、ウェイウェイやってたアメリカの爆撃隊チームものちに怒られることになるんだけど、この映画ではそのあたりの描写はなかった。
再会をラストに持ってくるテクニカルな構成いいね!
そして、ラストの一枚スライドで因果応報と過酷な現実を知らしめるという、物語の理想形みたいな内容でした。
このジャケと、やっすい邦題(彩プロのDVD「Uボート156 海狼たちの決断」で見た)から、ここまで潤沢なヒューマンドラマをいったいどのくらいのひとが想像するんだろうな。
面白かった!