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紙の月のBmのレビュー・感想・評価

紙の月(2014年製作の映画)
3.7
ごく普通の銀行員・梨花が横領に手を染め抜け出せなくなっていく。
序盤から夫が妻の仕事をよく思っておらず軽んじている家庭の閉塞感がリアル。梨花が奮発してプレゼントした時計をカジュアルと言い、しばらくしてから別の時計をプレゼントという無神経っぷり。
男に貢ぎ破滅していく過程が主軸だが、恋に落ちる過程は描かれていない。イケメンでもホストでもなく、どこがいいのか分からないような平凡な大学生に入れ込んでしまうのが真面目な梨花っぽい。と思っていたが、幼少時代のエピソードが挿入されることで、梨花は「他者への奉仕によって感謝されること」に価値を見出しているのであって恋愛はメインではないのだと分かる。
大島優子演じる相川のしたたかな女子、小林聡美演じる真面目一辺倒な社員がどちらもいい味を出していた。この二人は梨花の一面を映し出す鏡のような存在ということだろうか。
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