PARADISO

紙の月のPARADISOのレビュー・感想・評価

紙の月(2014年製作の映画)
3.9
角田光代の原作を吉田大八が監督し、映画主演は7年ぶりの宮沢りえがヒロインを演じる。
 平凡な主婦が勤め先の銀行で引き起こした大金横領事件の顛末と彼女の心の闇を描いた、ヒューマン・サスペンス。

 今までの吉田大八監督作品とは毛色の違う人間ドラマ。
 宮沢りえ、池松壮亮、小林聡美というキャストが絶妙。
 金の魔力に狂うと同時に美しく輝いて行くヒロインの姿を、さすがの演技で宮沢りえが魅せる。
 追い詰められた彼女の抗う姿と冷めきった表情にゾクリと来た。
 
 石橋蓮司、田辺誠一、近藤芳正、大島優子、伊勢志摩、中原ひとみ…。
 正に適材適所で盤石のキャスティングで、これがこの作品の強みとも言える。
 石橋蓮司を国債購入に踏み切らせた、宮沢りえの「使う楽しさ」というセールス・トークが、後半に皮肉な形で彼女に返って来るのが良い。
 
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